頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム −グリーンイノベーションを目指したセラミックス科学若手研究者国際ネットワーク形成−

事業内容

背景

本学は、セラミックス産業が世界一集積する中京地域に立地している特徴を生かし、これまでセラミックス科学・工学の発展に貢献してきました。このような実績を基にして、平成19年1月には、研究と教育が強く一体化した“セラミックス科学研究教育院”を創設しました。このセラミックス科学研究教育院のセラミックス高等研究部において「原子・分子スケールでの構造設計及び形態制御を可能にする基礎科学の開拓、技術との調和」をキーワードとし、「フランス・国立セラミックス工科大学、リモージュ大学」・「イギリス・インペリアルカレッジ(構造セラミックス研究センター)」・「ドイツ・エルランゲン−ニュルンベルグ大学(材料科学専攻)」との間での国際連携(ITP事業)を実現してきました。このような研究活動を基として、様々な発想に基づく若手研究国際ネットワークの形成を目指した活動を展開しています。

目的

このような背景のもと、これまで培ってきた海外研究機関との連携活動をベースに、その関係をさらに強化・拡大し、本事業では以下のことをめざします。

  • 本学の得意とするセラミックス科学と欧米諸国の環境・エネルギー分野の連携融合により飛躍的なグリーンイノベーションの発展を目指した国際共同研究
  • 将来の頭脳循環の有機的な形成につながる若手研究者の国際的なネットワークの構築
  • 各連携研究機関との、より強固な共同研究活動のもと、世界的視野・レベルでの思考展開のできる世界水準の若手研究者を育成

最終的に、一つの地球規模のエネルギー課題解決に向けたより大きな枠組みの中での、セラミックス科学を基軸とした国際研究拠点の形成をめざします。

内容

フランス・国立セラミックス工科大学・リモージュ大学、ドイツ・エルランゲン−ニュルンベルグ大学(材料科学専攻)、更にはオーストラリア・核科学技術機構に若手研究者を派遣し、相互の知見を共有して効果的な国際共同研究を推進し、以下の研究開発課題の遂行を図ります。

  • 有機・無機半導体セラミックスの熱・光電気変換効率の向上
  • フォトボルタイックセラミックスによる新原理無接合太陽光発電の実証
  • 燃料電池用高性能酸素透過性セラミックスの開発

また、グリーンイノベーションにおけるセラミックスの活用に関して相互地域において研究フォーラム、セミナーを実施し、更に多くの海外機関との連携を目指した将来のネットワーク拡張の基盤とします。